ここ数年、米カリフォルニア州のある街では、夜な夜な靴やおもちゃといった小物類が頻繁に盗まれる“事件”が発生していた。
その数は3年間で少なくとも600点ほど。しかし、住民たちにピリピリとした空気はなく、今日も街は平和な空気に包まれているようだ。
米放送局KGO-TVや米紙ニューヨーク・デイリーニューズなどによると、カリフォルニア州サンマテオでは、ここ数年、夜間にモノが盗まれる被害が多発していた。
中でも5歳の少年イーサン・マクレランドくんの家は「いつも盗まれる」(米放送局ABC系列KGO-TVより)というほど深刻。
盗まれるのは、洋服や彼のおもちゃといった小物類ばかりで、ほかにも靴やタオル、手袋といった衣料品などが無くなり、「ママの水着が盗られた」こともあった。
そんなとき、住民たちは警察へ通報したりはせずに、ある家へと向かう。
彼らが向かうのは、マクレランドくんの家の近所に住むジーン・チューさんとジム・コールマンさんが暮らす家。
ここに行けば、まず間違いなく無くなったモノが取り戻せることを住民たちは分かっている。つまり彼らは、盗んだ“犯人”が誰なのかを知っているというわけだ。
その“犯人”は、やや体型がぷっくりとした愛らしい姿の猫・ダスティ。「昼間はごく普通のペット」として家でおとなしく暮らしているこの猫、夜になると行動が一変し、外を徘徊しては悪さを繰り返していた。
この話を知った米動物専門チャンネル「アニマル・プラネット」は、ダスティの行動を探るべく路上に暗視カメラを設置。
すると、頻繁にカメラの前を通り過ぎるダスティの姿がとらえられ、その口にはタオルやぬいぐるみなどがくわえられていた。
この様子はダスティのキュートな一面として同局が紹介。周辺の住民たちに受け入れられてることもあってか、米メディアを中心に、この話題は好意的に伝えられたようだ。
飼い主のチューさんによると、ダスティはこの3年間で600ものアイテムを盗み、いつぞやは一晩で11点も集めてきたこともあるそう。
それらはチューさん宅で整理して保管され、何か盗まれたと気が付いた人たちはすぐに家を訪れ、「自分たちのモノを取り戻していく」(英紙メトロより)のが当たり前になっているという。
近所の人たちはダスティを「泥棒猫」と呼び、もはや「彼の行動を誰も気にしてないようだ」とも話すチュさん。
マクレランドくんの家族も盗まれないよう気を付けてはいるが、繰り返し被害に遭っても「どこに行けば良いか分かっているから」(米放送局KGO-TVより)と警察に通報するつもりはないという。
今のところはちょっとしたいたずらとして黙認されているダスティの行動。住民たちの寛容な対応が続く限り、深夜の“犯行”はこれからも繰り返されていくことになりそうだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿